三和コムテック様がイグアスのIBM Power Systems Virtual Server検証環境を使用して、モダナイゼーション製品の導入および稼働検証を行いました。

概要

IBM Power Systems Virtual Server(以降、Power Virtual Server)環境で、以下のモダナイゼーション製品の導入および稼働検証を実施いたしました。

  • ARCAD Observer
  • ARCAD Transformer RPG
  • ARCAD API
  • KONA2
  • COCOA

背景・課題

Power Virtual Server環境において、以下のモダナイゼーション製品が正常に導入および動作するか、パフォーマンスに問題ないか、などを検証する必要があり実施いたしました。

  • ARCAD Observer
  • ARCAD Transformer RPG
  • ARCAD API
  • KONA2
  • COCOA

製品概要

ARCAD Observer

ARCAD Observerは、IBM i 上の情報資産を分析し、その構造や相関関係、矛盾を見える化するツールです。
具体的には、プログラム資産やオブジェクトの利用状況を可視化したり、プログラムとソースの整合性のチェック、プログラムやデータベースの相関関係を明らかにします。
これにより、プログラムの保守コストを低減したり、新しいアプリケーションを開発する際の効率を飛躍的に高めることができます。

ARCAD Observerの概要
ARCAD Observerの概要

ARCAD Observerの仕組みは、IBM i 上のアプリケーションやデータベースのオブジェクトをARCADの「分析データベース」へ取り込み、オブジェクト相互の相関関係をデータベース化するところから始まります。
そして、この強力なデータベースに対して、ARCADクライアントから自由かつ多角的な分析を行うことによって、さまざまな情報資産の可視化が可能になるのです。
また、分析の結果は、HTML形式のドキュメントにまとめられるので、分析作業を行っているPCだけでなく他のPCからも参照でき、スムーズな情報共有を行うことができます。

ARCAD Observerによる出力可能なリスト一覧
ARCAD Observerによる出力可能なリスト一覧
【相関関係分析の特徴】

ARCADの相関関係分析は、3つの大きな特徴とメリットを持っています。1つは、影響範囲をビジュアルに表示できる点、2つ目はHTMLドキュメントに出力できるので簡単に情報共有できる点、3つ目はドキュメントのバージョン管理によって変更履歴を正確に管理できる点です。

相関関係の分析
相関関係の分析
プログラム相関図への切り替え
プログラム相関図への切り替え
相関関係の分析より作成可能なHTMLドキュメント一覧
相関関係の分析より作成可能なHTMLドキュメント一覧

ARCAD Transformer RPG

ARCAD Transformer RPGは、既存のRPGプログラム(RPG Ⅲ、RPG Ⅳ)を、オープン系プログラミング言語の構文によく似たフリーフォームRPG(FF RPG)へ自動変換するツールです。
既存のビジネスロジックをそのまま踏襲してソースコード・コンバージョンを行うので、プログラムの挙動は変わりません。

ARCAD Transformer RPGの概要
ARCAD Transformer RPGの概要
固定フォーム(左)からフリーフォーム(右)への転換
固定フォーム(左)からフリーフォーム(右)への転換
【製品の特長】
  • 変換後のフリーフォーム・コードは、JavaやC++などのオープン系エンジニアでも解読できるため、オープン系エンジニアによる保守や改修が容易になります。
  • オープン系エンジニアもRPGプログラムの保守・改修を担えるようになるので、RPGプログラマーの不足に対応し、若手・未経験者へのスキル移転を効率的に進めることができます。
  • IBM Rational Developer for i(RDi)を使用することによって、コンパイル結果の確認や複数ソースの参照、コピー&ペーストも行えます。
  • RPG Ⅲ・RPG ⅣをFF RPGへ移行しておくことによって、IBM i 上の情報資産を新しい技術によって活用する道が大きく広がることになります。

ARCAD API

IBM i の5250画面情報を取得し、様々なアプリケーション/システムに情報を渡すWebサービスを作成する製品です。
WebサービスはIBM i から取得したデータをJSON形式で渡すため、IBM i システムとWebアプリケーション、スマホアプリ、外部システムなどとの連携を簡単に行うことができます。
Webサービスは5250画面の操作内容を自動で記録して作成するため、コードを書く必要はありません。複数のデータベースが組み合わさっていてSQLなどでデータを取得しにくかったり、OSのシステムの情報などのAPIを作成しないと取得できない情報も簡単に取得できるため、アプリケーション開発にかかる時間やコストの削減にもつながります。

ARCAD APIのイメージ

KONA2

KONA2は、既存のホスト資産の柔軟なWeb化、モダナイゼーションを実現するための製品です。

COCOA

COCOAはIBM i のWeb化を簡単に低コスト、短期間で実現するための製品です。

構成内容

使用した機器の仕様は以下の通りです。

◆ Power Virtual Server
  • データセンター:東京04
  • マシン:S922
  • OS:V7R4
  • ディスク容量:180GB
  • メモリ:8GB
  • コア数:0.25
  • 一次言語:2962(日本語)
  • QCCSID:5035
◆ IBM WebSphere Application Server ・・・ KONA2とCOCOAのみで利用

WebSphere Application Server - V9.0.0.11 Base
IBM提供のHTTPサーバー(powered by Apache)- Apache/2.4.34(IBM i)

検証内容

ARCAD Observer & ARCAD Transformer RPG

  • 製品の導入が正常完了することを確認
  • 製品主要機能が正常稼働することを確認

ARCAD API

  • 社内にあるARCAD API ServerからPower Virtual Serverに接続できることを確認
  • 5250画面の操作内容を記録し、Webサービスが作成されることを確認
  • Webブラウザから作成したWebサービスにアクセスし、IBM iから取得したデータがJSON形式で表示されることを確認

KONA2 Application Connector 4.2.1(Build:401r1 2020.05.19)& COCOA Application Connector 4.2.1(Build:401r1 2020.05.19)

  • 製品の導入が正常完了することを確認
  • オートスクリーンを用いて正常にホスト接続すること(サインオン画面を操作できること)を確認
  • KONA2のスクリプトメーカーを操作して、メインスクリプトが出力されることを確認
  • COCOAのMIX生成ツールを操作して、スクリプトやTelnet接続定義ファイルが出力されることを確認

検証結果

製品 検証日 導入結果 検証結果 備考
ARCAD Observer 2021/03/31 正常終了 正常終了 製品導入、主要機能の稼働検証を実施し問題ないことを確認
ARCAD Transformer RPG 2021/04/01 正常終了 正常終了 製品導入、主要機能の稼働検証を実施し問題ないことを確認
ARCAD API 2021/03/31 N/A 正常終了 Webサービス作成・アクセスの稼働検証を実施して問題ありませんでした
KONA2 2021/04/12
2021/04/15
正常終了 正常終了 オートスクリーン機能を用い問題なくサインオン画面が捉えられること、およびスクリプトメーカー機能を用いてメインスクリプトが出力されることを確認
COCOA 2021/04/12
2021/04/15
正常終了 正常終了 オートスクリーン機能を用い問題なくサインオン画面が捉えられること、およびMIX生成ツール機能を用いてメインスクリプトが出力されることを確認

KONA2の場合

KONA2

COCOAの場合

COCOA

COCOAのMIX生成ツールを使用して修正を加えた画面イメージ

COCOAのMIX生成ツールを使用して修正を加えた画面イメージ(1)
COCOAのMIX生成ツールを使用して修正を加えた画面イメージ(2)

所感

Power Virtual Server環境においてモダナイゼーション製品が導入(使用)および稼働できることが確認できました。

ARCAD Observer

解析するライブラリのObject数が多い際、類似スペックの弊社オンプレミス環境と比較すると時間がかかったため、ご利用いただく際は今回検証した構成より上のスペックを推奨いたします。

ARCAD Transformer RPG

フリーフォーマットへの変換操作は、RDi(IBM Rational Developer for i)からと5250セッションからの操作がありますが、両者のパフォーマンスについてもオンプレミスと同様にストレスなくご利用が可能です。

ARCAD API

Power Virtual Server へWebサービス作成・アクセスともに、問題なく稼働しました。
また、WebブラウザからWebサービスへアクセスし、JSON形式でデータが表示されることも確認しました。
ただ、システム値QPWDLVLを2または3に設定した環境でWebサービスを作成・実行した場合、Webサービス実行時にエラーが表示されることが判明しました。
現在のバージョンでは、システム値QPWDLVLの2以上には対応していないため、ご利用いただく際はPower Virtual Server 構築時にQPWDLVLを0または1に設定していただくことが必要です。

KONA2 Application Connector 4.2.1(Build:401r1 2020.05.19)& COCOA Application Connector 4.2.1(Build:401r1 2020.05.19)

起動に7分以上かかる場合があり、その間に管理コンソールのステータス表示が変化してしまうので、WASのlogsフォルダを注視して起動状況を確認する必要があると感じました。

イグアスより

Power Virtual Server環境では通常英語環境(一次言語:2924)で提供されますが、弊社では日本語環境(一次言語:2962)で提供し、ネットワークは「プライベート・ネットワーク接続環境」にて検証していただくことができました。
三和コムテック様のモダナイゼーション製品の検証結果を元にして、多くのIBM i ユーザー様に安心してご利用いただければと存じます。

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