提案構成検討の為に、IBM Software Access Catalogから同ソフトをダウンロード、IHCC(旧 ISC)に環境を構築し、検証・考察を行います。

Spectrum Scale用語事前説明

Spectrum Scale用語事前説明
Server Node
NSD Nodeとも言い、FCやSAS等で接続されている物理ディスクを使用し、Spectrum Scaleのプログラムを用いて仮想的な単一ファイルシステムを作成・提供します。複数台でクラスターも構成できます。
Client Node
クラスターに参加することで、Server Nodeが構築したファイルシステムに接続し、そこにおいてあるファイルにアクセスが可能になります。
Protocol Node
ファイル共有でよく使用されるSMB/NFS/iSCSI/オブジェクトストレージ等を提供し、クラスタに直接参加しないマシンにファイルシステムへアクセスする方法を提供します。
Spectrum Scaleのソフトウエアは、Server Nodeも、Protocol Nodeも、Client Nodeも kshベースで作られた基本パッケージを導入し、役割に応じて追加パッケージを導入し使用します。(Linux用、AIX用、Windows用の別はあります。)
Windows上ではCygwinで導入したksh環境の中で、基本パッケージを稼働させます。
Cygwin
Windows上で稼働し、疑似Unix環境を構築できるフリーソフト。
SMB
Windowsのファイル共有サービス(一般にCIFSとも言う)

検証目的

IBMのSpectrum Scaleを、ファイルサーバとしてWindowsから利用する場合、Windowsに、Spectrum Scaleのプログラムを導入し、Client Node(以降、Windows用Client Nodeを、単にClientと表記)とするか、SMBを使用するかを、Server NodeとProtocol Nodeの同居と、AFM機能(別途、添付ファイルに説明記載)との組み合わせ環境にて検証する。

考察のポイント

  • SMBを使用する場合、SMB用のProtocol Nodeが必要。
  • Clientを使用する場合、SMB用のProtocol Nodeは不要。
  • Protocol Node / Client Nodeは各々ライセンスを必要とするプログラムです。
  • WindowsでのClient Node利用には、Cygwin事前導入が前提となる。
  • Protocol NodeとServer Nodeは同居可能だが、IBM推奨は別サーバに。

検証環境概要

使用したハード/ソフト

  • サーバ装置:
    Lenovo x3650M5(2台) Server & Protcol Node用
    内蔵HDDでRAID5に、Volumeを切り出して利用します。
    ※IBM Flashsystem 840を内蔵SSDの代用として利用
  • サーバ装置:
    HP Moonshot m710(1台) Client Node用/SMBでの接続用
  • 10Gb Switch:
    Penguin switch Arctica 4806xp
    HP Moonshot内 10Gb Switch
  • Spectrum Scale V4.2.3 ,RHEL V7.1 , Windows2012R2

検証結果

詳細は資料ダウンロードから『Spectrum Scale検証内容説明』をご参照ください。

検証結果より考察

  • 通信速度の限界値近くまでのスピードがでているので、ソフトウエアによるペナルティは感じない。データを受信する側のマシンのメモリー量が速度に効いてきます。
  • Client利用も、SMB利用も速度差に大差はないが故に、Clientの利用はファイルシステムを利用するマシンが多い場合、ライセンス費用としても、導入の手間として不利な部分は多い、しかし、安定した速度を求めたい利用シーンに遭遇した際には選択肢となりえることを思い出していただければと考えます。
  • AFMを利用する場合、SSDからHDDへデータの移動のためのロックが発生する。
    ロックとSMBのファイルロックの兼ね合いで速度低下の懸念があるとは聞いていたが、今回はそれを感じすることができなかった。
    この懸念はタイミングや使用方法次第、実際にどれくらい効いてくるか個別の用途毎に今後も検証することが必要かと思われます。

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