概要
「PerfecTwin ERP Edition」は、SAP ECCからSAP S/4HANAへの移行に特化した、現行・新システムを比較するテスト自動化ソリューションです。
本事例では、システム移行に伴い、テスト工程の遅延やUAT(ユーザー受け入れテスト)での作業負担など、スムーズな移行や安定運用を妨げる課題がありました。
そこで、「PerfecTwin ERP Edition」を活用し、大量の実取引データを用いた体系的かつ自動化されたテストを実施しました。これにより、潜在的な不具合や重要なリスクを事前に把握でき、移行前に品質を確保することが可能となりました。
今回の導入により、移行リスクの軽減、品質強化、安定稼働、コスト削減を同時に実現しています。S/4HANAへの移行をご検討中の企業様にとって、「PerfecTwin ERP Edition」はぜひご活用いただきたいソリューションです。
事例先のお客様
日本国内B社
業種:食料品製造業
売上高:約320億円
従業員数:約1,000名
課題
ECCからS/4HANAへの移行にあたっては、円滑なシステム移行と安定運用を実現するために、テスト工程やUAT段階での課題を適切に解決することが重要でした。
1. テスト工程の遅延と品質確保への懸念
ECCからS/4HANAへの移行に伴い、テスト工程が遅延し、十分なテストが行えないことで品質確保に不安が生じていました。
2. UAT段階での作業負荷
ユーザー受け入れテスト(UAT)では、顧客側の作業量が多く、効率化や負担軽減が求められていました。
解決策
工程遅延による品質への懸念があった業務については、大量のテストを実施することで、本番稼働後も安心して運用できる品質を確保しました。具体的には以下の取り組みを行いました。
1. 新ERPシステム稼働前の安定性・信頼性向上
ECC本番環境の実取引データを大量に送信し、新システムでの処理を検証することで、本番稼働前に安定性と信頼性を高めました。
2. 潜在的な障害の早期発見・修正
実取引データを活用することで、潜在的な障害や問題を事前に発見し、迅速に修正することが可能となりました。
3. 主要モジュールにおける大規模テストの実施
MM、FI、SDといった主要モジュールに対し、約4万件の実データを用いたテストを実施し、品質確保とリスク低減を図りました。


成果
本プロジェクトでは、以下の成果を達成し、高い評価をいただきました。
1. インシデントの体系的整理と早期対応
テスト工程で発生したインシデントを体系的に整理し、合計47件の具体的事例を抽出。従来は見過ごされがちだったマスタ設定やロジック条件に起因する不具合を早期に確認し、迅速に対応することができました。
2. 重大影響のある事象の事前把握
得意先マスタの住所情報欠落や品目マスタの積載グループ差異など、運用上大きな影響を及ぼす可能性のある事象を事前に洗い出し、プロジェクト全体のリスク低減に大きく貢献しました。
3. 将来的な運用リスクへの早期対応
S/4HANA移行に伴う取引条件や仕入先コード利用の違いなど、将来的な運用上の懸念事項についても、早期に共有・対策検討を進めることができました。
4. 品質確保と安定運用の実現
これらの成果により、品質の確保と業務安定性の向上を実現。B社様からは「本稼働前に潜在的な課題を把握でき、安心感が高まった」、「PerfecTwinを早く導入していれば、より早く安定運用できた」と高く評価されています。
まとめ
ECCからS/4HANAへの移行において、「PerfecTwin ERP Edition」を活用することで、移行リスクを抑えながら、品質強化・安定稼働・コスト削減を同時に実現。大量の実データによる効率的な検証により、移行プロジェクトを安心・確実に成功へと導きます。
ご関心をお持ちいただけましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。
開発・製造PerfecTwinエスコ・ジャパン株式会社 |
記事提供元
エスコ・ジャパン株式会社
https://www.escco.co.jp