概要
サプライチェーン全体のセキュリティ強化を目的に、2026年度末頃の開始が予定されている経済産業省の「SCS評価制度」。企業の対策状況を★3, ★4といったレベル分けで可視化し、取引先間で適切なセキュリティ水準を共有することが求められています。ここで重視されるのは、「対策があるか」ではなく、「運用として回っているか」「その根拠を示せるか」という点であり、特に★4では記録や証跡を含めて自社の運用を説明できる状態が求められます。
受発注や請求といった取引データが行き交うサプライチェーンの出入口となる重要な基盤となるEDIシステムにおいては、万一の停止時には業務全体に影響が波及してしまいます。そのため、採用している仕組みや構成だけでなく、「運用の整理状況」や「説明可能性」が問われやすい領域となっています。
こうした背景を踏まえ、EDI運用の整理・可視化・安全性の確保を一体的に実現し、SCS評価制度にも対応可能な基盤構築を支援するのが「EDI-Master Cloud」です。
課題
SCS評価制度への対応を進める上で、よくあるEDI運用の課題は次のようなものがあります。
1. 属人化による運用リスク
EDI運用が特定の担当者に依存しているケースは少なくありません。日々の設定変更や例外対応、判断基準が個人の経験に委ねられていることで、「あの人に聞かないと分からない」状態が生まれます。その結果、担当者の不在や異動時に運用が停滞し、継続的な管理や改善が難しくなります。
2. 必要なログがすぐに出せない
ログ自体は取得しているものの、保管場所や保存期間、取り出し手順が整理されていないため、必要なタイミングで提示できないケースが見られます。特に、過去のアクセス履歴や処理結果をすぐに示せない場合、インシデント対応だけでなく、第三者評価においても大きな課題となります。
3. 初動対応が定義されていない
障害やセキュリティ事象が発生した際に、「誰が・何を・どの順番で対応するか」が明確でないケースも多く見られます。手順書があっても更新されていなかったり、実運用と乖離していたりすることで、迅速な対応が難しくなります。これにより、影響範囲の拡大や復旧遅延といったリスクにつながります。
結果として、「対策はしているが説明できない」「評価制度に対応できる状態にない」という状況に陥りがちです。
解決策
こうした課題を解決するには、EDI運用を一元化し、可視化・標準化し、継続的に管理できる仕組みが不可欠です。そこで有効なのが、クラウドEDIサービス「EDI‑Master Cloud」です。
1. 属人化を防ぐ運用の標準化と可視化
属人化を解消するには、EDI運用の内容や判断基準を整理し、誰でも把握できる状態にすることが重要です。通信設定や運用手順を一元的に管理できる基盤を整備することで、「特定の担当者に依存する状態」から脱却し、継続的に運用できる体制へと移行できます。
EDI‑Master Cloudのように通信・変換・運用管理を一体で扱える環境を活用することで、設定や運用の全体像が可視化され、結果として標準化された運用を実現しやすくなります。
2. ログ・証跡を“すぐ出せる”状態にする
ログは取得しているだけでは不十分であり、必要な時に即座に提示できることが求められます。そのためには、ログの種類や保存場所、取り出し方法まで含めて整理された状態を維持することが重要です。アクセスログや操作履歴、処理履歴を一元的に管理し、検索・抽出ができる仕組みを整えることで、インシデント時や評価時にもスムーズに説明できるようになります。こうした仕組みをあらかじめ備えた環境を活用することで、証跡の整備そのものを運用に組み込むことが可能になります。
3. 初動対応を含めた“止めにくく・戻しやすい”運用基盤へ
初動対応の曖昧さを解消するには、対応手順を明確にするだけでなく、前提となるシステム基盤側でも安定性と復旧性を確保しておくことが重要です。
冗長構成やバックアップを備えたEDI基盤を採用することで、「止まりにくい」「復旧しやすい」環境を前提に運用を組み立てることができます。これにより、初動対応から復旧までの流れを整理しやすくなり、結果としてBCPの実効性向上にもつながります。
EDI‑Master Cloudのようなクラウド型基盤は、こうした運用を支える選択肢の一つとなります。
成果
EDI運用を整理し、EDI-Master Cloudを活用して可視化された状態に近づけることで、評価制度対応だけでなく日常運用にも変化が生まれます。運用状況が把握しやすくなり、必要なログや記録を迅速に提示できるようになるとともに、属人化の解消や初動対応の明確化にもつながります。結果として、第三者評価への対応力が高まるだけでなく、サプライチェーン全体のリスク低減と安定運用の両立が可能になります。
まとめ
SCS評価制度への対応において重要なのは、新たな対策を追加することではなく、既存の運用を整理し、「説明できる状態」にすることです。EDIはその中核となる領域であり、まずは現状の棚卸しを通じて強みと弱点を明確にし、運用で補うのか、仕組みで補うのかを選択していくことが重要です。
EDI-Master Cloudは、EDI運用の可視化と標準化を通じて、SCS評価制度に対応したEDI基盤の構築を支援します。
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記事提供元
https://www.canon-its.co.jp

