自然言語でコード生成

概要

IBM Bobは、IBM社が提供するエンタープライズ向けAIコーディング・エージェントです。計画・設計からコーディング、テスト、デプロイ、保守までソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)全体に伴走します。

自然言語(日本語可)で要件を伝えるとAIとの対話によって要件・仕様を精緻に固め、仕様書とコードを生成。既存アプリケーションの改修にも対応し、リポジトリや仕様書の内容を理解した上で、仕様書生成・コードレビュー・テストまでを支援します。

Anthropic社のLLM「Claude」をはじめとする複数のモデルをタスクに応じて自動選択する仕組みにより、生成品質とコスト効率を両立。SaaS型で提供され、専用のIBM Bob IDEおよびターミナル上で動作するBob Shell(CLI)から利用できます。Output補償・SSO連携・利用状況の可視化といった企業利用に必要な統制機能を備え、RPG・COBOLを含むレガシー資産のモダナイゼーションにも対応します。

特徴

AIファーストの開発支援ツール

AIがリポジトリや仕様書を理解し、開発者のパートナーとしてコード生成、仕様書生成、コードレビュー・最適化をサポートします。コードの機能やアーキテクチャに関する不明点もわかりやすい言葉で解説されるため、エンジニア(人)の理解が深まります。

開発品質が向上

要件整理からコードレビューまでをAIが一貫して支援するため、抜け漏れのない開発が行え、開発品質が向上します。AIによるエラー分析と修正提案によりデバッグを効率化し、基幹系アプリケーションのモダナイゼーションまで対応します。

エンジニア不足とスキルギャップを解消

開発者ひとり一人が求める支援を提供し、企業のエンタープライズ人材不足を補完。誰でも再現可能な開発プロセスを実現します。

企業向けのガバナンスとセキュリティに対応

提案された操作を開発者が確認・承認してから実行する仕組み、自動承認範囲の設定、コマンド実行前のセキュリティ検査、変更内容の差分表示などにより、人的監督を実務に組み込める設計です。入力したプロンプトやコードが基盤モデルのトレーニングに使用されることはありません。FedRAMP/HIPAA/PCIの各要件に対応し、Enterpriseプランでは生成物に対するOutput補償(第三者の特許・著作権侵害の請求に対するIBMの保護義務)が適用されます。

IBMとAnthropicのテクノロジーを融合

コード生成に強みを持つAnthropic社のLLM「Claude」を組み合わせることで、AIによるアプリケーション開発の生産性改善と、本番環境における稼働運用の信頼性を確保しています。

レガシー資産のモダナイゼーションに対応

Java、Python、JavaScript、TypeScript、Go、C++、Kotlin、Bashといったモダン言語に加え、RPG・COBOL・PL/SQLに対応。IBM i 向けには専用パッケージ「Premium Package for i」を用意し、固定形式RPGから自由形式RPGへの変換、OPM RPGからILE RPGへの変換、既存RPGアプリケーションの仕様書生成などに対応します。

機能

■ 3つの専用モード
  • Plan:実装前の計画・設計
  • Agent:コードの記述・変更・リファクタリング
  • Ask:コードベースに関する質問・解説

作業の進行に応じて、1つのタスクの中でモードを切り替えることもできます。

■ 主な機能
  • コード生成:自然言語での指示を、動作するコードに変換します。
  • リファクタリング・デバッグ:既存コードの整理と不具合の修正を自動化します。
  • ドキュメント作成・更新:コードから仕様書やドキュメントを生成・更新します。
  • コードベースへの質問:コードベースについて質問し、わかりやすい解説を得られます。
  • タスク自動化:繰り返し作業や定型的なコード記述を効率化します。
  • ファイル・プロジェクト作成:新規ファイルやプロジェクト一式の雛形を作成します。
  • コードレビュー・Git連携:IDE内で変更内容を解析し、指摘事項と理由を提示して構造化されたレビュー結果を提出。コミットメッセージの生成、プルリクエストの作成にも対応します。
  • サブエージェント:複雑なタスクを並列の作業単位に分割し、それぞれ専用モードで動く補助エージェントを起動します(起動には都度、開発者の承認が必要)。
  • Skills(スキル):再利用可能な作業手順をIBM Bobに教える仕組み。チームで共有し、バージョン管理できます。
  • Literate Coding:平文の指示をコード内に書くだけで動作する自然言語プログラミング
  • MCP(Model Context Protocol)連携:外部ツール・サービスと接続します。独自のMCPサーバーを作成して機能を拡張することも可能で、watsonx OrchestrateのエージェントやMCPツールの構築にも活用できます。
  • Bob Shell:ターミナル上で動作するエージェントCLI。IDEの外でも同じ文脈理解でコマンドライン作業を支援し、Terraform・AnsibleのPlaybook生成にも対応します。
  • Bobalytics:Bobcoin(利用量)の消費状況と生産性への貢献を可視化する分析機能。言語別・モード別の利用傾向、日次アクティブユーザー数、個人・チームの比較が可能です。
  • セキュリティ(Shift Left):コマンド実行前のセキュリティ検査を標準搭載。開発ライフサイクル全体にわたる自動スキャン・依存関係分析・ポリシーガバナンスは「Premium Package for DevSecOps」で提供します。
■ Premium Package(有償の追加パッケージ/1ユーザー分の利用権として追加)
  • for Java Modernization:Java 8から25へのバージョンアップグレード(互換性チェック付きの自動書き換え)、旧来のUI構成から拡張性のあるWebフレームワークへの刷新、IBM WebSphereからWebSphere Libertyへのリプラットフォーム
  • for i:IBM i アプリケーションのドキュメント化・リファクタリング・新規コード生成、固定形式RPGから自由形式RPGへの変換、IBM i 環境への直接接続とIBM i RAGの活用
  • for DevSecOps:自動スキャンとリアルタイムの修正対応、依存関係の分析と出自の追跡によるサプライチェーン保護、ポリシーに基づくガバナンス

※ for Z はオンプレミス製品として別途提供されます。

■ 対応言語
  • モダン言語:Java、Python、JavaScript、TypeScript、Go、C++、Kotlin、Bash
  • レガシー言語(IBM i など):RPG、COBOL、PL/SQL

動作環境

IBM Bob(本体)の動作環境

  • OS:macOS(Appleシリコン/Intel)、Windows、Linux(Debian系、Red Hat/Fedora)
  • メモリ:4GB以上(8GB推奨)
  • ディスク空き容量:500MB以上
  • ネットワーク:インターネット接続が必要
  • 認証:ご利用開始にはIBMidでのサインインが必要です
  • 提供形式:スタンドアロンのIDEアプリケーション(macOSは.pkg、Windowsは.exe、Linuxはdeb/rpmのインストーラーで導入)

Bob Shell(CLI)の動作環境

  • OS:macOS/Windows/Linux
  • メモリ:4GB以上(8GB推奨)、ディスク空き容量:500MB以上、インターネット接続
  • Node.js 24以降が必要
  • 認証:既定はIBMid(SSO)。CI/CDなどの自動化用途ではAPIキーを利用

Premium Package for i(IBM i 向け)の前提条件

<クライアント(開発PC)>
  • 対応OS:Windows(x64)、macOS(ARM64/Appleシリコン)
    ※Windows ARM64、macOS Intel(x64)、Linuxは動作する可能性はありますがサポート対象外です
  • IBM Bob IDE 2.0.0以上、Premium Package for i 拡張 1.0.0以上
  • 依存するIBM i向けオープンソース拡張(自動インストール):Code for IBM i、Db2 for IBM i、RPGLE、CLLE、IBM i Testing、IBMi Languages
  • Git(任意/ローカル開発・ソース管理用)
<IBM i 側>
  • IBM i 7.4以上
  • Db2 PTFグループは最新レベルを推奨(IBM i 7.4ではSF99704 Level 13以上が必須)
  • SSHデーモンの稼働(STRTCPSVR *SSHD)、ライセンス・プログラム5733-SC1、QSSHDユーザーの有効化
  • SSHでDenyUsers/AllowUsersを設定している場合は、接続するユーザープロファイルの明示的な許可が必要
<接続方式>
  • Code for IBM i を介したSSH接続。IDEの「IBM i : Servers」ビューから接続を設定します
  • Bobが実行できる操作は接続ユーザープロファイルの権限に従います(最小権限での運用を推奨)
  • 監査のためCLIENT_APPLNAME特殊レジスターを設定し、Bob起因の処理を識別できます

提供形態

  • SaaS(クラウドベース)
  • 管理コンソール(クラウドベースのGUI)により、利用状況レポート、個人・チーム別の利用量管理、SSO連携、APIキー管理が可能

コンプライアンス対応

  • FedRAMP/HIPAA/PCI
※社内ネットワークからご利用の場合、ファイアウォールやプロキシの設定が必要になることがあります。 ※最新の動作環境・前提条件は、IBM公式ドキュメント(https://bob.ibm.com/docs)または弊社担当営業にご確認ください。

参考価格

IBM Bobは、法人のお客様向けの「IBM Bob Enterprise SaaSプラン」を中心にご提供します。ご購入単位は次の3階建てです。(価格はすべて税別)

① ユーザー課金:IBM Bob Enterprise
  • 月額 3,187円/ユーザー(指名ユーザー・年間契約)
② 利用量課金:IBM Bob Enterprise Pooled Consumption 1000 Resource Units per Annum
  • 79,692円/1,000Resource Unit(=1,000Bobcoin)・年間
  • 組織内の全ユーザーで共有する年間プール型の利用枠として、12ヶ月間いつでも利用可能。期間終了前の追加購入も同額
  • 利用枠を使い切った場合はOverage(超過)となり、87,700円/1,000単位で月次請求
  • 換算:1Bobcoin = 1Resource Unit = 400,000トークン = 約80円
  • Bobcoinは、コード生成・ファイル操作・コマンド実行などの各タスクに応じて消費される利用単位です。消費量・利用額は管理機能で可視化・管理・設定が可能です
③ Premium Package(オプション/ユーザー単位で追加)
  • Premium Package for IBM i:追加 月額 6,375円/ユーザー
    RPG/COBOL向けモダナイゼーション・ワークフロー、オンシステム開発、カスタマイズ可能なプロンプト/コマンド、IBM i RAGの活用
  • Premium Package for Java Modernization:追加 月額 3,187円/ユーザー
    レガシーJEEアプリケーションのLibertyへのリプラットフォーム、レガシーUIスタックからのフレームワーク・モダナイゼーション
  • Premium Package for Z:サーバー/ユーザー単位での追加課金(オンプレミス製品として別途提供)
■ サポート
  • 基本サポート:無償(全有償プランに標準付帯)
  • アドバンスト・サポート:有償オプション。ユーザー課金・利用量課金の総額の15%(最小金額 6,374,000円)
■ 規模別の年額目安(Tシャツサイジング/基本サポートのみ)
  X-SMALL SMALL MEDIUM LARGE
ユーザー数 10名 20名 50名 200名
ユーザー課金 年額計 382,440円 764,880円 1,912,200円 7,648,800円
年間共有追加利用枠
(Bobcoin換算)
796,920円
10,000
3,187,680円
40,000
7,969,200円
100,000
31,876,800円
400,000
1ユーザーあたり年間 1,000 2,000 2,000 2,000
年間総額 1,179,360円 3,952,560円 9,881,400円 39,525,600円
■ Premium Package for IBM i を追加した場合の年額目安(基本サポートのみ)
  • X-SMALL(10名):1,944,360円
  • SMALL(20名):5,482,560円
  • MEDIUM(50名):13,706,400円
  • LARGE(200名):54,825,600円
■ Bobcoin消費量の見積り方
  • 原則は「デフォルト見積」として1ユーザーあたり年間2,000Bobcoinを目安に概算します(IBM社員の月次利用目安は50~500Bobcoin/月)
  • 精緻な見積が必要な場合は、導入前に1~2週間のPilotで実測し、その結果をもとに調整します
  • 上記が難しい場合は「利用時間/日 × 月間稼働日数 × 1人あたりCPH × 利用人数」で概算します
    (プロジェクト規模別の月間目安:小規模PoC 3名=3,600/小規模開発 10名=6,000/中規模開発 30名=12,000/大規模開発 100名=24,000/組織汎用ツール 500名=40,000Bobcoin)

<Bobcoin消費例(実績ベース)>

  • 大規模アプリの新規開発(数回の試行錯誤含む):200Bobcoin = 80Mトークン
    ※C#ソース約70,000行+ドキュメント約15,000行
  • 中規模アプリの仕様生成(1回分):20Bobcoin = 8Mトークン
    ※COBOLソース約9,000行 → 設計書ドキュメント約22,000行
  • 中規模ツールの新規開発(1回分):30Bobcoin = 12Mトークン
    ※ドキュメント約22,000行 → Javaソース約20,000行
※価格は税別。今後の価格変更にご注意ください。年額目安は月額単価×12ヶ月で算出しています。 ※上記は目安であり、実際の消費量は開発内容・改修フェーズにより変動します。 ※個人・小規模チーム向けにはIBM Eコマースで直接購入いただくSelf-Service SaaSプラン(Free Trial:30日間無償・40Bobcoin/Pro:月額3,187円・40Bobcoin/月/Pro+:月額9,562円・160Bobcoin/月/Ultra:月額31,900円・500Bobcoin/月)もあります。超過分は1Bobcoinあたり0.5USDの従量課金です。 ※詳細な価格・お見積りはイグアス担当営業までお問い合わせください。

事例紹介

イグアス社内検証:アプリケーション開発全体で工数38%削減

当社は米国IBM本社よりテクノロジープレビューオファーを受け、IBM Bobを活用した開発検証を先行して実施しました。仕様書(下書き)生成、コード生成、テストケース生成の各工程にIBM Bobを適用した結果、アプリケーション開発全体で38%の工数削減を実証しています。

<工程別の工数削減率>(例:PythonおよびRPGによるサンプルアプリ開発)
  • 要件・仕様確定:78%削減
  • 提案コード生成:43%削減
  • テストケース生成・実行:66%削減

IBM i(RPG)での活用例

FFRPGソースのコンパイルエラー(%DIV関数のパラメータエラー等)をIBM Bobが検出し、修正箇所と改善内容を具体的に提示。IBM i 上のRPG開発でも開発パートナーとして機能します。

主要ITメディア掲載実績

関連サービス

IBM Bobの導入・活用を支援する「イグアスAI駆動型開発サービス - IBM Bobシリーズ -」(概要・操作トレーニング/開発コーチング/アプリケーション開発/アプリケーション保守/i-Cross API for AIエージェント活用支援/PVS One for AIエージェント活用支援)を提供しています。